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ダ・ヴィンチ工房の「マナプリズムを交換」に期間限定礼装が追加!
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人類は過去から未来へと続く足跡(きおく)として、
経験を、知識を、物語を重ね、
人間として成長していく。

一時間にあった些細な会話。
一日にあった得がたい交友。
一年にあった輝かしい成長。

だが、人は誰もが
そのすべてを克明に記憶する事はできない。

残るものは結果だけ。
過程は常に忘れ去られる。

長期的、いや客観的に見れば
少年と人々に変わりはない。

一日の終わりに、彼の記憶は更新される。
真っ白なものに変わる。
その中で、少年は必要なものだけを保存する。

23時間55分の喪失。
一日に起きた目映い経験は、すべて漂白される。

5分間だけの信念。
更新に抗う意思が、
失われる事のない/忘れ去られる事のない
思い出を獲得する。

そうして少年は成人した。
人間(じぶん)にとって必要な情報だけを積み上げ、
完成させた『ある人間の姿』。

それが本物なのか偽物なのか、
彼は考えない。
願い、信じ、誓うものはシンプルだ。
『人間は善い行いをする』
それだけが彼を人類たらしめる、唯一つの冠位指定。

Illustrator:高橋慶太朗



5分だけしか記憶できないデイビット
その記憶に関する意味がいまいち理解できませんでしたがなるほどそういうことだったのか。人は遠い昔の記憶は結果と景色だけしか記憶していないことがありますが、デイビットはそれを一日単位で行う。
一日を体験し、過程を漂白し、箇条書きのような一日は計5分分。
人は生き先を形成するにおいて思い出は大事なファクターですが、思い出を端的にしか残せない彼の場合この信念だけが彼を人間的に突き動かすファクターだったのですね